dorin`s blog

2010年3月12日金曜日

公園デビュー

公園デビューとは母親が赤ちゃんを連れて初めて公園に行くことである。
そこには同じような母親と子供たちが遊んでいる。
お仲間に入れるかどうか、母親は緊張もするだろう。
やがてそこで同じ母親達と育児についての情報や悩みなどを共有するのだろう。
デビューといってもむしろ赤ん坊より母親のことをさすのかもしれない。
こんな言葉は昔はなかった。

昨日娘から買い物に行きたいから孫を見ていてくれと言われた。
二つ返事で鼻歌を歌いながら車で孫のところに飛んでいった。
数日見ないだけなのにまた大きくなっている。
丸々太っておたふくみたいな顔である。
娘が買い物に行っている間、私は乳母車（古い言い方）で公園へ出かけた。
お天気がよく暖かい春の日差しのなか、公園のベンチで生後３ケ月目に入った
孫を抱っこして座っていた。
知らないおじいさんが「かわいい赤ちゃんですね。お孫さんですか？」と声をかけてくれた。
私は心の中で「やっぱし私はこの赤ん坊のおばあさんに見えるんだ」とショックを受けた。
満開の公園の河津桜の下でしばらく私は孫を抱きしめたまま幸せに酔っていた。

３０年近く前、田舎だったので我が家の近くには公園などなくて
毎日家の前にある天王様という神社に私は一人で赤ん坊を連れて行った。
神社の境内の階段に座って赤ん坊を抱いてぽつんと一人でいたことを思い出す。
近くには同じような赤ちゃんを持つ母親もいなくて、お友達がほしいといつも思っていた。
やがて近所に二人の赤ちゃんが生まれやっと私も同じようなお友達ができて
とても嬉しかったことを思い出した。
今で言えば神社デビューというのであろうか。

孫を抱きながら公園を見渡すとあちこちで若い母親達が子供たちを遊ばせている。
すれ違う若い母親達がちらりと私を見ている。
「そうか！今日は私と孫の公園デビューの日なのだ！」
やがて孫がむずかって泣き出しどうにもこうにもならなくなり家に戻りました。
おばあちゃんと孫の公園デビューはこのように無事に終わったのでありました。

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