2011年11月17日木曜日

舌きりすずめ



今日の図書ボランティアは「舌きりすずめ」だった。
直前まで「こぶとりじいさん」を読もうと思っていたのだが
他のボランティアの方が「こぶとりじいさん」を読んだことがわかって
急きょ「舌きりすずめ」に決めた。


すずめがおばあさんの洗濯のりをなめたことから物語は始まるのだが
今どきの子に「洗濯のり」ってわかるかな?と思ってしまった。
私が子供の頃まだ近所のおばあさんが和服をほどいて
タライで洗ってのりをつけて一枚一枚板に張り付けて乾かしている光景を
覚えているのだが今の子供にそれを想像しろと言っても無理だし・・・

でもなんとなくイメージはわかってもらえるかなと勝手に判断して
読み始めた。
いつもの如く大あくびをしている子、だんだん寝転がってくる子、
落ち着きなくそわそわしている子、鼻くそをほじくっている子、
隣の子にちょっかい出している子。。。
と、まあいろいろな子がいるがそのたび先生が注意をしている。

私も子供の頃以来真剣にこのお話を読んだことがなかったので
この年になってしみじみ考えてしまった。
だいたい昔話はお爺さんの方がいいお爺さんで
お婆さんは悪いお婆さんが多いような気がする。
お爺さんが可愛がっていたすずめを洗濯のりをなめたぐらいで
お婆さんはハサミで舌をちょん切るなんてなんてことだろう。
そしてお爺さんがすずめのお宿を捜して帰りにもらったものが
小さいつづら。お爺さんは小さいつづらをもらったのだ。
なんて遠慮深いのだろう。
でも今の子って「つづら」って意味わかるかな?
荷物が重ければすぐ宅急便だものね・・・

持ち帰ったつづらの中には宝物がザクザク。
それを見たお婆さんはすずめのお宿に行き
大きなつづらをもらって帰る。
欲深いお婆さんならではの行動だ。
途中、中身を見たくなりフタを開けると中からは
大入道、大ムカデ、三つ目小僧、ガマ、ヘビが出てきてこんばんは~。

というなんともおもしろい話なのだが
「こぶとりじいさん」も「花咲か爺さん」も「舌きりすずめ」も「笠子地蔵」も
みんないい爺さんだ。
なんで昔話は爺さんがいい爺さんなのだろうか?
昔々いい婆さんがいました。と始まるお話はないような気がするのだが。


やっぱりこんなところにもまずは男優先、というか
爺さん優先、という昔の社会を感じてしまうのである。
現実は頑固で偏屈で短気で自分が一番正しいと思っている爺さんが
世の中にはいっぱいいるのになあ・・・
読み聞かせをして自分が勉強させてもらっていることに
気がついた一日でした。

帰りに校長先生に「今日の子供たちの反応はどうでした?」と
聞かれて、何と答えてよいかわからず
「やはり日本の昔話はいいですね。いろいろ教訓が込められていますね」
などとちょっと偉そうなことを言って校舎を後にしたのだった。

0 件のコメント:

コメントを投稿