2012年1月20日金曜日

雪女



昨日朝一番でいつもの地元の小学校へ行き読み聞かせボランティアをしてきました。
昨年12月の最後の読み聞かせの時、児童たちに
来年の一回目はこわーい話をします、と約束していました。
今回は季節にも因んで「雪女」です。
この話は以前から私が読みたかったのですが
真夏の暑い時期に読んでも今一つ実感がわかないから
冬になったら読もうとずっと思っていたのです。

いつも落ち着かないちょっと困った君が今日に限ってじっと読み聞かせを
聞いていました。
なんだ、本当は落ち着いて聞けるんだと思ったのですが
実はこのようなこわーい話は興味があるのですね。
どの子も今迄で一番良く聞いてくれました。
私も今回のために家で話し方を練習して
こわーいところはその雰囲気を出すようにしたのです。

村の若者与一が山道で吹雪に遭い白い着物の女が現れます。
他の者は女の息を吹きかけられて凍え死んでしまいますが
与一だけはまだお前は若いからと命を取られませんでした。
しかしその時女は今夜のことは決して口外しないようにと云い
もし口外したら命はないと言って消えてしまうのです。

数年後ある吹雪の晩、与一の家に美しい「ゆき」と云う娘が道に迷ったから
一晩泊めてくれと訪ねてきます。
やがて与一のお嫁さんになり子供にも恵まれます。
与一は昔、山であった出来事を思い出しました。
自分に息を吹きかけて殺そうとした白い着物の女が「ゆき」に
似ていたからです。
与一は約束を破って山の出来事をゆきに話し始めました。

するといきなりゆきは「約束を破りましたね。しゃべったら殺すと言ったのに」と云って
雪女に変わります。
しかし「子供がいなかったらあなたの命はありませんでした。」と云い
吹雪の中を煙のように消えてなくなってしまいました。

私のように長く生きている人間はこの話の矛盾点を色々
感じてしまう。
「雪女が子供なんか生むのかしら?」
「真夏の暑い盛りにしゃべったら雪女は現れるのか?」
「しゃべったくらいで命をとるなんておおげさな・・・」
などとまったく夢もロマンもない。
やはり子供たちのように純粋に怖がり想像をふくらませるから
昔話はいいのだろう。

小学校をあとにして急いで勤め先へ向かった。
やがて午後からちらほらと初雪が降り始め寒い一日となった。
偶然にも雪の降る日に「雪女」を読むなんて
なんという偶然だろうと思い
今日のお話が子供たちの心に残ってくれたらいいなあ・・と
感じたのであった。

0 件のコメント:

コメントを投稿