2011年2月27日日曜日

湿布薬

私は湿布薬のお世話になることがたびたびある。
湿布薬は時代とともに移り変わってきた。
昔は「トクホン」という湿布薬だったけれど
これを剥がすときうぶ毛まで一緒に剥がれて痛いおもいをする。
子供の頃痛い痛いと言いながらトクホンを剥がしていたら
母親が「少しづつ剥がすから痛いのよ。こうやってトクホンは剥がすもんだ!」
と一気にベリッっと剥がされた。
その時の痛みと乱暴な剥がし方と剥がされたトクホンについていた
うぶ毛は今でも忘れられない思い出である。
おかげでその時以来湿布薬を剥がすときはまず深呼吸をして
一気にベリッと剥がすようになった。
剥がす前の痛みの覚悟と一気に剥がれるときの爽快感はたまらない。

時代が変わりトクホンから白い湿布薬になった。
これは確かにひんやりと気持ちがいい。
しかし裏のセロハンのような紙を剥がして患部に貼るにはコツがいる。
なにしろ粘着面どうしがくっついてしまえばもう終わりである。
背中や肩など自分では届きにくいところはまず一回は失敗して
悔しい思いをしたのである。

今の湿布薬はすごいことになってきた。
なにしろ「経皮吸収型鎮痛・抗炎症剤」となったのである。
ただ冷やすのではなく、皮膚から薬効が浸透するのである。
それに裏の粘着面のフィルムは3分割されていて
まず中央を剥がし患部に貼りそれから左右のフィルムを順次
剥がせばうまく貼れるのである。
昔のように粘着面どうしがくっつくというのは格段に減ったのであった。

ところが先日朝起きて膝から湿布薬を剥がしてみて驚いた。
裏のフィルムの中央の部分を剥がさず左右のフィルムのみ
剥がして膝に貼り付けていたのだった。
つまり一番痛いところはフィルムに邪魔されて薬効が染み渡っていなかったのである。
どうりでカサカサしているようだったけれどこんなこと気が付かないなんて
情けないやら・・・

今はいい時代になった。
皮膚から薬効が吸収されるなんて、昔では考えられなかったから。
だからせいぜい使い方を間違えないよう充分薬の効き目があるように
フィルムは残らず剥がして貼らなくてはいけないと
深く反省したのであった。

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