dorin`s blog

舞台衣装

昨日はレッスンを受けているマンドリン研究所の１年に一度の発表会だった。
参加者は６ヶ月前くらいから曲を選び本番に向けて精進するのである。
後半はソロコンクールに出るような実力の方たちが何人も演奏して
この方達は自分と同じ楽器を弾いているのか？と不思議な感覚である。
世の中には上には上がある。と言うのはまったくその通りなのである。

舞台衣装といっても女優ではないし、ディナーショーに出る芸能人ではあるまいし、
たがが素人の発表会であるが、やはり何を着ようかと悩む。
以前先生に発表会にはいつもの日常の洋服やクラブのユニホームのような
服で出ないように、自分で考えなさい。と言われたことがあった。
発表会でも観客が見ていて気持ちのよいもの、曲のイメージを感じさせるものなど
非日常の場所に立つのであるから、視覚も大切な要素なのであると教えられたのである。
私はこれはまさに目からうろこだったのである。

と、言うことで今回も自分なりにお金をかけずに持っているものでなんとかおしゃれをして・・
前夜、舞台衣装の準備をした。まあ、ロングスカートとブラウスだけど。
前日から風呂敷に包んでカバンに詰めてしまうと皺になってしまうのでとりあえず
きれいにたたんで椅子の上に置いておいた。
パンプスもストッキングもイヤリングもまとめておき、
さあ、明日家を出る直前に包んでカバンに入れようと思っていた。

ところが夜寝る直前に椅子を見たらとんでもないことになっていた。
登山用のリュックが私のきれいにたたんだ舞台衣装の上に乗っているではないか。
主人は明日、山に登る。
そういえばさっきリュックに荷物を詰めていた。
その長年の汗と泥で汚れた登山用リュックが、私の明日の舞台衣装の上にどーーーんと。

私は悲鳴を上げそうだった・。
これが自分の奥さんが一年に一度の晴れ舞台で着る衣装だとわからないのか？
そうだよね、発表会なんてまったく感心がないんだからそういうものか・・・
明日の山のことで頭がいっぱいなのであろう・・・・
もう大いびきをかいて寝ているし。

昔の私だったらこのリュックを蹴飛ばして外にほうりなげてやるのだが
もうその気力すらなく、独りでブツブツ文句を言ったに過ぎなかった。
幸なことに汚れも皺もなかったのが救いであった。
そして翌日舞台では上がりに上がって私の演奏はなんとか無事に終わったのである。

どうぞお願いだから、発表会には来なくていいから私の大事な
ステージ衣装の上に登山用のリュックを乗せないでね。
ちょっと、聞いてんの！怒。

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