懐かしき丸の内
私は独身時代、丸の内のOLだった。
銀行に勤めていた。
結婚のため退職して早30年近く。片田舎に暮らしすっかり地元の生活が板についてしまった。
このところ急に昔の丸の内時代が懐かしくなり行ってみたくなった。
ずいぶん変わったらしい。どんな風になったのだろうか?
また、次女の婿さんが丸の内のお店に勤めているのでそのお店を見てみたいと思った。
来年早々孫も生まれてたぶん自由に時間が取れなくなるだろう。
今日はお天気だとテレビが言っていた。行くなら今日しかないと思っていた。
まず東京駅、今改装していて全容が撮れない。残念。
この駅から銀行に通ったのだ。
東京駅丸の内北口改札出たところ。中央奥に勤めていた銀行が見える。
懐かしき銀行。昔と変わらず建っている。
と、感傷に浸って感動のあまりデジカメを撮っていたら、この銀行の警備員が私に近づいてきた。
こわい顔している。私に何か言うつもりらしい。
「観光客の方ですか?」
「いいえ。違います。」
「このところで写真を撮らないでください。許可を取ってからでないとダメです。」
「なぜ写真を撮ったらダメなのですか?私は以前この銀行に勤めていました。30年ぶりに来て写真を撮っているのです。」
「とにかく敷地内ですからダメです。」
私はこの警備員のあまりの冷たい態度に頭にきてしまった。
「じゃあこのビルの写真は撮れないのですね。30年ぶりに来たんですよ!どこから撮るのならいいのですか?」
「あちらの道路の向こうからなら、写真を撮っている人がいると報告だけします。」
「・・・・・・・・」
私は懐かしさと嬉しさで心が張り裂けそうだったのに急に悲しくなって泣き出したくなってしまった。
時代が変わったのだ。今はこういう時代なのだ。
私の様子がそんなに怪しかったのだろうか?
がっくりきて、呆然としていた。
30年後この銀行の前で写真を撮ったらダメだといわれてうなだれている私をあの時の私は想像できただろうか?
気を取り直してビル街を有楽町方面に歩いていった。
工業倶楽部
東京海上ビル
三菱商事
銀行倶楽部
重要文化財 明治生命館
やがてブリックスクエアという一角にきた。三菱商事の隣に出来た新しい洒落たお店が並んでいるところだ。
ここのパスザバトンと言うお店に婿さんが働いている。
しばらく外から婿さんが働いているところを見ていた。
やがて彼が私に気がつきしばらくお店の中を見せてもらった。
アンティークショップだ。結構お客さんも入っている。
仕事のお邪魔をしないようにまもなくここを出た。
そして一人でランチを取る。なかなかいい雰囲気のお店である。オムライス1200円。コーヒーつき。高い~。
昔の丸の内はただのビル街だったけど今は本当に素敵なお店もたくさんあってちょっとヨーロッパの町並みのようだ。
お花屋さん
そして今度は皇居へ。
二重橋から皇居前広場へ。
皇居前広場から見る丸の内オフィス街。
東京 もいいところいっぱいあるなあ!
ここの皇居警察のおまわりさんに私の写真を撮ってもらった。
さっきの銀行の警備員とちがってとっても優しかった。
「縦と横撮りましょうね」などとサービス精神一杯だ。
これでもうさっきのことは帳消しかな?
30年ぶりにきた丸の内、長い時間が経ったのに世の中は大きく変わったのに
あの頃の自分と今の自分の本質はあまり変わっていないと思う。
丸の内の良さを再発見できてよかった。
帰りは六本木の国立新美術館でハクスブルグ展を鑑賞した。
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地元に戻り夜のマンドリンクラブの練習に参加。
今日は充実した楽しい一日だった。
コメント
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いいお天気ですね・・・雨で夜の丸の内とはまるで感じが違います(笑)
おっしゃるように、昔の丸の内はオフィス街というだけだったのに、今はずいぶんオシャレですね。今度は昼間に行ってみたいです~♫
あの当時は他のことで忙しくって、、(笑)
私はどーも東京とは縁がなくって・・・(笑)
たまには娘でも連れて出かけてみたいなぁと思いました。
新幹線で一時間半なんですどねぇ(笑)新幹線高いし・・
車でだったらどこまででも行くんですが、東京は車じゃねぇ(笑)
お薦めいたします。といっても今回30年ぶりに行って初めて気がついたのです。毎日通勤していた時は皇居が見えるにもかかわらず一度も行ったこともなく、数々のノスタルジックな建物も何も感じずその前を通り過ぎていました。
そんなものなのですね。でも良さがわかってよかったです。
危うく知らずに人生終わってしまうところでした。(笑)