我が家の愛犬レオナルドは(名前だけはカッコイイのだが・・・)暮れから病気になり
正月三が日も動物病院へ通院して毎日三本の注射を打ちつづけた。
人間でいえば気管支ぜんそくのようなものでこれで二回目である。
以前は夏の時期で蚊取り線香の煙が引き金だった。
今回は温度差が引き金らしい。
何しろガチョウのような咳が真夜中でもお構いなく続くので
当然本人も苦しいだろうが飼い主だって参ってしまう。
うるさいからと外に出すわけにもいかず飼い主もストレスが溜まっていた。
暮れの忙しい中毎日通院して正月もどこにも行けず通院して
やっといま回復に向かってきた。
かかった治療費は約5万円也!
この出費はかなり痛かった。
おかげでバーゲンで欲しかった洋服もあきらめ犬に回った次第・・
ところで昨日も通院して久しぶりに院長先生の診察だった。
この頃は若い先生に見てもらうことが多いのだが。
「院長先生、以前この足の付け根にあるしこりですが
悪性の可能性が高いと他の先生にいわれて・・・
でもこの頃プヨプヨしているみたいだし
この咳以外はすごく食欲もいいし元気なのですが
本当に癌なのでしょうかね?」と聞いてみた。
院長先生は触診して「この感じから言うとたぶん脂肪の塊の可能性が高いですよ、
別に体に悪さはしないでしょう」
「えーーー!」私はめまいがしそうであった。
「だって癌の可能性が高いと言われたから、余命幾ばくもない愛犬を
好きなように過ごさせて来たのに・・・」と私は絶句した。
粗相をしても叱らず・・・
犬のおやつも美味しそうなものばかりを選んで、、、
先日も塗り替えたばかりの和室の京壁を見事にかじりとられても・・・
最後まできれいにトリミングしてあげようと美容室でカットして・・・
今は亡きメリーちゃんが生んだ息子なのだからと・・・
近所中からうるさい犬と言われてももう癌だから・・・と言い訳して・・・
いつもは意見の合わない私たち夫婦もこの犬に関しては意見が合うのであった。
「もう先がないんだから好きなようにさせてやろうよ」だった。
そして近いうちにやってくるであろうお別れの時の心構えもかなり出来上がっていた。
メリーちゃんとボブが眠っているところの隣に埋めてあげようと思っていたのである。
というわけで、かれこれ一年わがまま放題の太った元気なお犬様になってしまっていた。
どうりで変だと思った。癌なのにこんなに元気なはずがないし。
もっと早くに先生に聞いてみればよかった。
そうして診察室を出るとき院長先生は
「大丈夫、この咳さえ注意してあげれば天寿を全うしますよ~」・・・
ああなんということ、これは嬉しいのであろうか良かったのであろうか・・・
「天寿を全うねえ・・・・」
と抱っこしているレオナルドにつぶやいた私であった。